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リフレッシュルームに設置したソファーについて

 ライフワークを楽しみながらリフレッシュできるカフェのようなスペースとして新たに設けたリフレッシュルームには、オフィススペースとは違い、ちょっとおしゃれな家具を設置しています。
今後、いくつか紹介していこうと思いますが、特にその中で、最初に紹介したいソファーがあります。

 新潟市に2004年に開店し、惜しまれながらも建物自体の老朽化に伴い、2017年1月末に閉店した私の大好きなお店であった『BYKELLY』。「新しい美意識を、ここ新潟に。」というお店の想いの詰まった店内に入ると、ここは本当に新潟なの と思わせてくれるようなとても素敵なお店でした。

 この店舗の空間デザインをおこなったのが、43歳という若さで急逝したインテリアデザイン界のスター 黒川 勉 氏でした。当時の私は黒川氏がとても有名な方だとは全く知らず、『BYKELLY』のスタッフの方から聞いて初めて黒川氏のことを知りました。ただこのお店の雰囲気がとても素敵で居心地が良く、もうずいぶんと昔のことになるのですが、『BYKELLY』以前のこの場所はレストランでした。当時、家族と一緒に来た記憶が残っていて、とても懐かしい思いも同時に感じていました。

 そんな素敵なお店であった『BYKELLY』の入口にあった一脚のソファーが、空間に非常にマッチしているのはもちろんですが、この一脚だけでも凄くオーラがあると言うか、この一脚がお店の全てを語っていると言っても良いくらい素敵でした。そのため、お店に行く度に、いつか譲って下さいとお願いしておりました。

 『BYKELLY』が閉店することを知ったときは、あんなに素敵なお店がなくなってしまうのかと非常にショックで寂しい気持ちになりました。また、あの素敵なソファーはどうなってしまうのかという想いが強く、スタッフに連絡を取らせて頂いたところ、大変有難いことに、BYKELLY閉店後の約1年後に2脚セットで譲って頂けることとなり、しばらく自宅に設置しておりました。

 今回、当社にて新たに設けたリフレッシュルームの家具の購入を考える際、以前『BYKELLY』のスタッフの方から、譲って頂いたソファーも 黒川 勉 氏 がデザインされたと聞いたことを思い出しました。そして、ようやく 黒川 勉 氏 について調べることとなり、大変有名な方である事を初めて知りました。それから、『黒川 勉のデザイン』という書籍を購入し、拝見すると『BYKELLY』のページがありました。そこには譲って頂いたソファーも載っており、こんな有名な方がデザインしたソファーを自宅で使用するのではなく、沢山の方が目にする場所に置きたいと考え、リフレッシュルームに設置することとしました。


 幼いころ、家族で訪れたレストランが、私の大好きな店舗として生まれ変わり、その大好きな店舗のデザインをした方のソファーを譲り受け、現在、当社のリフレッシュルームに設置しております。とても不思議な縁を感じます。時代は変わり、移ろいでいきますが、こうして今この場所に沢山の想いの詰まったソファーが2脚あることを何だかとても嬉しく思います。

投稿日|2022.05.07