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創業当時の半纏の復刻について

スマートオフィスへの移行に伴い、創業当時の半纏を復刻させて飾ることができたらなとの思いが芽生え、この計画が動きだしました。

もう随分と昔のことになりますが、長野県の小布施を訪れた時ですが、小布施堂の関連施設である桝一市村酒造や桝一客殿、蔵部にてスタッフが着用している藍染で独特の生地が印象的な半纏が凄く素敵で、この半纏はどこで制作しているのですかと伺ったところ、対応して下さったスタッフが凄く丁寧な方で、少しお待ちくださいと言って、調べてきてくれて、浅草の〇〇と言うお店ですと教えて頂きました。当時はお店の名前を憶えていたのですが、スマホもなく、すぐに調べることもできずに、メモをとって保管しておりました。
当時より、いつか創業当時の半纏を復刻させたいとの思いがあり、復刻するならこんな素敵な半纏にしたいと思ったのですが、思いだけで終わってしまい、いつしか保管していたメモもどこかへ無くしてしまいました。

それから十何年かの月日が流れて、今回のスマートオフィス計画にあたり、これを機会に半纏の復刻をしようと思い始めました。しかし、書き留めたメモが既に無くなってしまったことから、思い切って桝一市村酒造へTELやメールにてアポをとったのですが、なかなか私の思いが伝わらずに、どこで作成しているかという情報を得ることはできませんでした。
そこで、インターネットで浅草の半纏と調べてみたのですが、藍染の半纏を作成しているところはいくつかあったのですが、1枚単位で本格的な半纏を作成しているところがないのと、小布施で見た藍色で独特な生地の半纏とは違うなと思い、どこに頼めば良いのかと非常に悩み、一度ここで足踏みすることとなりました。

そんな中、地元新潟で藍染の半纏を制作しているところはないのかなとふと思って検索したところ、小千谷に紺仁染織工房さんという創業270年という非常に歴史の深いお店を見つけることができました。しかも、制作は1枚よりできますとのことでしたので、早速連絡をとり、小千谷であれば上越から近いため、直ぐに行けることから、翌週に伺うことになりました。

早速、小千谷の紺仁さんに伺うと、対応してくれたのが私とほぼ同じ年の松井専務でした。半纏について無知の私に対して、非常に丁寧に接客してくださり、半纏の歴史や意味、それから作成するにあたり、どの生地にて制作するのかという生地選びまで、ひとつひとつ丁寧に教えてくれました。
先ほどより、私は半纏の生地について触れていましたが、松井さんが見せてくれた生地の中に、小布施にて良いなと感じた生地と非常に似ているものがあったので、すぐにこれが良いですと即答しました。その生地は、何と全国でこの紺仁さんでしか手に入らない紺仁製の半纏用生地とのことで非常に驚きました。随分と昔に良いなと思った藍染で独特の生地が印象的な半纏をずっと探していたのですが、まさか同じ新潟の小千谷に私の探していた理想の半纏があるなんて、何だかとても不思議な気持ちと嬉しい気持ちが重なって、もの凄い縁を感じました。そのため、当初は3枚のみの制作をお願いする予定でしたが、個人的に欲しくなったので、2枚追加して5枚の制作をお願いすることとなりました。2枚は自腹です(笑)

こうした経緯を経て、現在当社2Fのエントランスの横とオフィス入口の左側の壁にアクリル板を用いた特注のケースに収めて展示しています。

また、半纏復刻までの作成過程については、当社YouTubeチャンネルにて配信していますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

最後になりますが、今回非常にお世話になった紺仁染織工房の松井専務、この場を借りまして感謝申し上げます。今回は大変素敵な半纏を制作して頂き、大変有難うございました。この記事を読んでいる皆さん、もしも半纏を制作したいと思った方は是非、紺仁さんに頼んでみてはいかがでしょうか。きっと想像以上に素敵な半纏に出会えますよ(笑)

創業当時の半纏(表)

創業当時の半纏(裏)

復元した半纏(表)

復元した半纏(裏)

投稿日|2022.07.01